8月5日 (火)  雨に濡れたハイヒール

夕暮れ小雨のなか人家も見えない山沿いの寂しい道を私は軽トラで走つていました。 この道は初めて通る道なので見える風景には飽きが来ません。  しとしとと降る小雨の向こうにこんもりとした「黒い森」が見えて来ました。  雑木林と森の違いとは私の感覚では木々の間が透けて見える感確か、終わりが無く、
何所までも続いているのかが想像できないほどの深さを感じるかと言つたところでしょうか。
まもなく「黒い森」に軽トラが差し掛かると道端に一瞬視界の中に黒く小さな動物の様なものが入つてきました。 何か違和感を感じ車を降り何か確かめに行きました。 すると動物に見えたものは「黒いハイヒール」だつたのです。  それも片方だけなのです。 どう見ても捨てたようには見えないのです。 靴先を森にきちんと向け、丁寧に置いているように見えました。  日も暮れ始め小雨も降り続くなか、濡れて黒く光る片方だけのハイヒール。